Dear J

愛を伝えたいだとか

230823 - 𝗧𝗜𝗢𝗧 Pre-Debut "百戰無敗 (백전무패) "


𝗧𝗜𝗢𝗧プレデビューおめでとーーー!

韓国のペンミでプレデビューが発表されたときも、8月1日にプレデビューの詳細が出たときもなんだかあまり実感がわかなくてあんまりうれしいっていうきもちにはならなかったけど、いざ、こうしてMVが公開されたり、音楽配信サイトでレポズの曲が聴けると、じわじわ実感が湧いてきてうれしい。

プレデビューアルバム《FRAME THE BLUEPRINT : PRELUDE TO POSSIBILITIES》に収録されている『This is our time』はINIの『CALL 119』『Password』『BAD BOYZ』でもお馴染みKevin_D (D_answer) の作詞作曲アレンジ曲で、本国で大人気THE BOYZのソヌくんも作曲に参加されていたり、Click-Bのカバー曲で表題曲の『百戰無敗 (백전무패) 』もおなじくKevin_D (D_answer) がアレンジするなど、弱小新設事務所初のアイドルグループとは思えぬ豪華な制作チームでクオリティもめちゃくちゃ高いので、是非TIOTをまだ知らないひとにも聴いてもらいたい。

……ということで、こんな誰も見ていないようなブログで宣伝してもなんの意味もないかもしれないけれど『百戰無敗 (백전무패)』のMVについて語りたいと思う。

テーマはおそらくデビューアルバム初動売上182万枚。飛ぶ鳥を落とす勢いの第5世代アイドルZEROBASEONEを生んだサバイバルオーディション番組《BOYS PLANET》での〈挫折〉と〈再起〉*1

冒頭で自信満々にパフォーマンスをするミンソンとゴニが思うような結果を得られず、部屋を追い出され、肩を落としながら去っていくのは共にスリースターという高いマスター評価を得ながら初回生存者発表式で脱落していることを表しているのではないかと思う。

そして、そんなふたりの後ろでウジンちゃんが緊張した面持ちで順番を待っているのは彼が次の第二回生存者発表式で脱落することを示しているのだろう。

場面かわって、部屋を追い出されたミンソンとゴニが見つけるのは廊下の片隅に座り込む最後の脱落者クムジュンヒョン。

首を抓みストレスを感じている様子なのはボーカルを希望しながらコンセプトバトルまでボーカルポジションにはなれなかったことや番組中にボーカルとしての見せ場を与えられなかったこと、理不尽な扱いや批判などに対する悔しさや親しい仲間*2がデビューする中じぶんだけがデビューを逃してしまったことに対する未練などを口には出さずに飲み込んでいることを示している……?

また、ジュンヒョンの記憶の中(?)のジュンヒョンは白く塗りつぶされ、姿形も表情も思い出すことはできない。

これは番組が終わって暫くジュンヒョンが「萌え萌えきゅん」や「다섯 살」を避けていたようにおもしろキャラとして番組を盛り上げていくうちにほんとうのじぶんを見失ってしまった、わからなくなってしまったということなのかな?と思う。

ただ、これ過去の記憶を遡っているというより未来のじぶんを想像しているような気もするから、夢を叶えたじぶんを想像してみるけど、成功しているじぶんの姿がみえない=自信を失っていることを示しているようにも思える。

そうして記憶の中では顔が燃え、現実世界では座り込んでしまった(=燃え尽きてしまった)ジュンヒョンに声をかけるのは一足先に挫折を経験し、再び立ち上がったミンソンとゴニ。

ここでゴニが示すのがこのあと映像にも出てくるこの曲のコンセプトでもある "Do or Die"

目前に突きつけられたゴニの指に驚くジュンヒョンよりも先にその指を掴むのがミンソンとゴニの次に挫折を経験したウジンちゃんだ。

そして、最後にジュンヒョンがウジンちゃんの指を掴み、再び立ち上がる。

その直後、床に落ちる寸前のマグカップをライブの観客でもある同級生がキャッチするのはギリギリのところでファンの存在が彼らの心を守った、支えになったということだろうか。

教室で小さなライブ(─これは多分ペンミをあらわしているのでは?)を成功させた四人はもっとたのしいことをするために授業中にこっそり計画を立て、狭い教室を飛び出していく。

これは言うまでもなく、デビューを表しているわけだけど、彼らが飛び出していった場所こそ彼らの活動場所なのだとすると韓国だけでなく日本での活動も視野にいれつつ、ゆくゆくは全世界で……ということではないだろうか?だから、わざわざこんな数少ないシーンのために日本まで来て撮影したのではないだろうか。

実際にあった挫折と再起をこの『百戰無敗 (백전무패) 』という曲に重ね、王道の少年漫画のようなストーリーとレトロなアメリカの学園青春映画のような演出でまとめているのがシンプルにセンスがいい。

冒頭でコップの中に閉じ込められた虫をミンソンが開放し、レポズとともに飛び立っていくのもよかった。

教室を飛び出していくレポズとコップから飛び出していく虫を重ねているのはもちろん、ジュンヒョンだけがグラスを壊す想像をしていたことを思うとやっぱりグラス=ボイプラなのかなという気もする。

壊す想像をしてしまうくらい壊したい(脱却したい)と思っていたけれど、最終的に壊すことは選ばなかった。ミンソンがずっとコップを持ち歩いていたのもボイプラという思い出や経験を大切にしていたから。それでも一度みんなに壊すか?と相談したのはやさしさで、それをわかっているからゴニも壊すことには賛同しなかった。それはつまり思い出は思い出として大切にしながら前へ進むということなのだろう。

MVみたいな映画がすきだから、当然映画みたいなMVもだいすきだし、個人的にここ最近見たアイドルのMVの中でいちばんすきでした。

ダンスもすごくかっこいいので、もしよければショケのパフォーマンスもみてください。






TIOT、アイドル戦国時代の天下取ろうね!

*1:TIOTとしてデビューするまで

*2:親友キムテレ、仲良し三人組(悪ガキズ)ゴヌギュ、親しいヒョンことジウンイヒョン、親しい弟ユジンチェ