ラポスタ2024。20日公演、配信。あいえないの感想です。
◎INI披露楽曲
▪FANFARE▪BOMBARDA
▪DROP
▪SHADOW(Slip Inside)▪10 THINGS
▪HERO▪シャッフルユニット
├ORIGINAL① - 西(川尻川西)
├DANCE - 田島後藤松田(田中)
├POPS①*1 - 許尾崎(白岩鶴房福田)
├POPS②*2 - 木村藤牧(大平豆原大久保)
├HIPHOP - 池﨑佐野(與那城金城平本)
└ORIGINAL② - 髙塚(河野佐藤木全寺尾)▪MONSTAR - JO1
▪Busterz
▪BAD BOYZ
▪TAG▪メドレー
├La Pa Pa Pam - JO1
├Dramatic
├NEXT - DXTEEN
├Super Cali - JO1
├Come Over - DXTEEN
├無限大 - JO1
└Rocketeer▼アンコール
▪LOVE ALL STAR
FANFARE
「全てDROP Thatして楽しむ」がテーマの『DROP That』からFANFARE。ファンはもちろんメンバーも積極的にコールに参加したり、とにかく賑やかで「お祭りだ〜〜〜!」っていう雰囲気がOPにぴったりでたのしい。
第二章については賛否両論あるけど、初見でも一緒に盛り上がれるような万人受けする疾走感のあるロックチューンを手に入れられたのだから大大大成功じゃないでしょうか。だいすき、ふぁんふぁれ。ツアー辺りからわりとみんな笑顔で踊ってくれるようになったのもうれしい。
あと、しゅごキャラみたいな衣装がかわいかった。
じんちゃんのパンツはちょっとフレアになってるのかな?丈長めで微妙に踊りづらそうだったけど、ダボッと感がかわいい。
BOMBARDA
ここで確信したけど、この日のじんちゃん、じんちゃんにしては珍しく(?)クールなアプローチというか本能というより理性のダンスというか、魅せ方を計算したパフォーマンスだったように思うんだけど、どうでしょうか(?)
特に「見せるよ Something new」の目潰しときょうちゃんのアドリブの辺り(身体をそらす振り)と「You feel me」がいつもよりセクシー寄りだった気がして、新鮮だった。何十回とやっているライブ定番曲でも毎回違うパフォーマンスをみせてくれるじんちゃんすごいよ〜〜〜!
DROP
このスーパーおざまきタイムでアイコンタクトするたじんがかわいくて「いつもこんなことしてたっけ?!」とパニックになりながらコレオ確認したけど、そもそも立ち位置違うね。短縮バージョンかつ花道を使ったパフォーマンスだったから今回だけの並びだったのかな?たじの煽りに眉をあげてこたえていたのと「あの余計な雑音 Block」のあと顔を左右に振りながら舌を出して狂ったような表情をしていたのが癖に刺さる。
SHADOW(Slip Inside)
イントロで絶叫した。
コン評はグスパンがいちばんすきだし、そんなにSHADOWに思い入れがあるわけでもない(と思っていた)のにじぶんでもびっくりするくらいの興奮と感動が込み上げてきてほんまに泣きそう(©佐野雄大)だった。
多少の歌割り変更はあってもオリメン三人の印象的(代表的)なパートはそのままにしてくれたり、ラスサビ以降はずっとオリメンがセンターだったり。オリジナルメンバーやオリジナルを愛するファンへの配慮を感じられたのもうれしかった。
じんちゃんに「光さえない 真っ暗な夜のdance」と「誰も知らないうちに染み込んだ暗い影」を歌わせてくれてほんとにほんとにありがとう…!一体誰にこの感謝を伝えたらいいのやら。
あと一歩デビューに届かない順位に対する焦りを滲ませた身を削るようなヒリヒリしたセクシーから、大人の余裕すら感じさせるセクシーへと変化しながら、でもどこか少年らしさも残るいまのじんちゃんにしか出せない最大級のセクシーを感じられて胸がいっぱいになる。もしまた披露する機会があってもきっと今回のようにはならないだろうし、その時々の良さがあるなぁ、と改めて。
ラップパートのあとセンターで踊るじんちゃんほんとにほんとによかった。あの瞬間にじんちゃんの魅力が詰まっていると言っても過言じゃない。視線泥棒。「俺を見ろ!」と言わんばかりの吸引力。誰も無視できないしなやかでセクシーなダンス。最高としか言いようがないよ、もう。だいすき、ほんとうに。
あとは、元SHADOWチームだったひろむのSHADOWがみられたのもうれしかったなぁ。キリングパートの「Sh! SHADOW」がきむにしだったのも、オラオラ感のある健のラップパートがりひにしで、スマートな威尊のラップパートがたじだったのもすごいしっくりくるし、総じて満足度の高いステージでした。
10 THINGS
ハイスクールムービのサントラ感のある10 THINGSに赤チェック×ジーンズ衣装がよく似合っていてよかった。
そして、最後ステージ中央に集合して思い思いのポーズをとるあいえないがかわいい。じんちゃんはあざとギャル。
シャッフルユニット
ORIGINAL①(にしくん)
本番の三日前に書き直したらしいにしくんのリリックが刺さりすぎて、暫くずっと考えてた。それくらいいい。
「気に入らないならどうぞ 別になる気はないな お前のアイドル」なんて言い放つアイドルがこの世に存在すると思わなかった。わたしのつまらない常識をぶち壊してくれてうれしい。
解釈はひとそれぞれだろうけど、ここで言うアイドルはもちろん職業ではなく偶像という意味でのアイドル。つまり、にしくんを〈アイドル〉という枠にはめて批判するもの、既存のアイドルらしさを求める声に対して「別になる気はないな お前のアイドル」と言っているわけで。このステージをみて「じゃあなんでアイドルになったの?」「アーティストやりたいならやめれば」と〈アイドル〉〈アーティスト〉という枠にはめて批判しているお前がまさに"お前"なのだと突きつけているのがすごい。そして、さらにそういったおきもちを「売れるためには〜」「アイドルなんだから〜」と正当化することすら許さず「気に入らないならどうぞ」「去るもの追わず」要するにいらねぇよととどめを刺しているから、じぶんが"お前"だと自覚のある人間ほどこのリリックを受け入れられずに批判するしかなくなるし、批判されればされるほど完成されるという皮肉。
ネットでコソコソ伏せ字を使って誹謗中傷してる奴らも、気に入らないことを書きたてて「降りる」だのなんだの騒いでる奴らも、結局きらわれるリスクを負って本人に伝える勇気もほんとうに降りる気もない「嘘ハッタリ」のくせに「偉そうに夢見がち」で理想のアイドル像とやらを押しつけてくるけど、だったらコソコソしてないで「俺の前に立てよ」と宣戦布告はするものの、俺を認めさせてやる=屈服させてやるという意思はなく「別になる気はないなお前のアイドル」「気に入らないならどうぞ」お帰りください「去るもの追わず」なのが、にしくんにとって「平和に生きる」ということなのかな?と思う。
イベ前の動画で理不尽に叩かれたメンバーがいたことを受けてこのリリックに変更したのかな?とも思うし、わたしは勝手にヒーローだと思っておくね。救った気はないだろうし、買いかぶり過ぎかもしれないけど、モヤモヤしてどうしようもなかったわたしのきもちは勝手に救われたから。
自らを「パイオニア」だと称するにしくんがつまらない枠をぶち壊し、新しい世界に連れて行ってくれることを期待せずにはいられない最高のステージでした。あんたが大将(?)
DANCE(たじ/たける/じんちゃん)
記憶違いでなければじんちゃんがダンサーを引き連れている姿をみるのはこれがはじめてだと思う。お揃いの真っ白なツナギを着たダンサー達を引き連れ踊る真っ黒なじんちゃんにゾクゾクした。じんちゃんはやっぱり存在そのものが鮮烈だ。
ダンスの奇才と言っても過言ではないじんちゃんが一途にダンスを愛し、ダンスで勝負してくれたことをほんとうにうれしく思うし、胸がいっぱいになる。いつかあいえないでもじんちゃんが〈メインダンサー〉を務める楽曲ができたらいいな。
人懐っこくおしゃべりでコミュニケーションはうまいのに実は口下手なじんちゃんにとっての第一言語はダンスなのではないか、とめちゃくちゃなことを思ってしまうくらいじんちゃんのダンスは雄弁に語る。一切の恥じらいや躊躇いなく楽曲の世界観に没入し、持てるすべての力を総動員してそれらを表現する。華やかでしなやかなダンスと徹底した表情管理。そして、その魅力を最大限引き出す圧倒的なビジュアル。そのすべてに目を奪われる。
そんなじんちゃんに続いて登場するたけちがじんちゃんとは対象的に一切の無駄を排除し、基本に忠実に踊るスタイルなのもおもしろかった。たけちの鍛え上げられた肉体と上品な美しさはほんとうに王子様のよう。どこを切り取っても美しいダンス。どんなに勢いよく動いても止まるべきところで必ずピタッと止まるのがきもちいい。じんちゃんのようにその日その時々で違うライブ感のあるパフォーマンスもいいけど、たけるのようにすべてのライブで安定して100点を出せるのもすごい。徹底した自己管理。鍛錬を積んだものにしかできないパフォーマンス。シンプルにうまくてかっこよかった。
そして、ラスボスさながらのオーラを放ちながら最後に登場するたじましょうごさん。ステージ上のたじって多分かっこよくない瞬間がない。すべてが洗練されてる。軽く踊っているようにもみえるのに圧倒的にかっこいい。プロのパフォーマンス。いい意味でがむしゃら感が全くない。ステージをたのしむ余裕を感じさせる表情管理、仕草、アレンジ。熟れていて、そのすべてが様になっている。わたしが無意識にじんちゃんから視線を外すとき、その視線の先にいるのはいつもたじだよ。湯煎事件でじんちゃんやあいえないに興味を持って『INIフォルダ』ばかりみていたわたしがあいえないのパフォーマンスに興味を持ったのは2022年の夏にみたKCONの『CALL 119』のたじがきっかけだし、いついかなるときもかっこよくてだいすき。
HIPHOP(ゆだい/りーくん)
ゆだいがまさかのラップ。ラポスタ2024イチの衝撃。
歯並びのことを言われて口を開けて笑えなくなるくらいアンチの言葉を気にしていた繊細なゆだいが否定的な意見がくることも承知でTikTokにひとりでダンス動画をあげるようになったのが去年。2023年。
そして、今年。テンパりまくって他人のバースに侵入していたぶっかましラッパーが本来の意味でラップをぶちかまし「アンチが遮る未来はいらねぇ通せんぼはもう結構」とまで言うようになるなんて思ってもみなくてほんまに泣きそう(©佐野雄大)だった。
はったりだろうがなんだろうがゆだいのなかから「アンチが遮る未来はいらねぇ通せんぼはもう結構」という言葉がでてきたことがうれしいし、新しいことに挑戦する不安、ゼロからイチを生み出すむずかしさ、じぶんのすべてを曝け出す恐怖。そのすべてを乗り越えてゆだいがステージをたのしんでいたのがなによりうれしかった。ほんとにすごいし、えらいよ!よくがんばったね!*3
「やらない後悔よりやる後悔」佐野雄大の生き様そのもの。
「佐野から次池﨑」
「やりらふぃー達の聖地」「喧しい ちと恥ずかしい 全国ニュース飾る成人式」なんてクスッと笑える要素も交えつつ「何も得ぬ(N)奴が」「愛(I)に挟まれ」「INI」など、随所にりーくんの言葉遊びのうまさやセンス、頭のよさを感じるし、設立4年の新興事務所に所属し、デビューから僅か2年でドーム公演の夢を叶えたりーくんが「温々と育ったガキがドーム」「あれ?叶ってない夢がない」と言い放つかっこよさよ。結成8年目でようやく横アリのみるくを応援しているものとしては多少の悔しさもありつつ、やっぱりそのかっこよさに痺れてしまう。101人からデビューメンバー11人に選ばれ、デビューから5作連続ハーフミリオンという前代未聞の記録を持つ圧倒的強者からしかうまれない言葉。最高に最悪で最高。
MONSTAR - JO1
このMONSTARにはMonster(怪物)だけでなく、フランス語でわたしという意味の"Mon"と"Star"を合わせて〈わたしの星〉という意味もあるらしい。つまりわたしにとってのじんちゃんだ。そのじんちゃんが「I'm a MONSTAR」という言葉を残し、真っ暗な闇に溶けていく、ドラマのワンシーンのように儚く美しい現実離れしたあの光景がわたしの心を掴んで離さない。
かための声質で話し声との差があまりなく、冷たさのあるじんちゃんの歌声が、甘く柔らかい音を響かせ、楽曲の良さを最大限まで引き出しているのがすごい。こんなじんちゃんみたことない。無機質で人外的な色気のあるじんちゃんからはじめてにんげんの体温を感じた。湿度、温度の高い色気。やっぱりじんちゃんにはダークでゴシックなセクシーコンセプトがよく似合う。鬼に金棒。松田迅にセクシーコンセプト。
あと、SHADOWオリメン(ひろむ含む)だけインナー黒だったけど、ほんとはこの衣装でSHADOWやるつもりだったのかな?あいえないが黒と白にわかれるときそのすべてで黒選抜の堕天使じんちゃん。
Busterz
そして、念願のBusterz。ITZYのWeaponのような扱いになったらどうしようかとヒヤヒヤしていたけど、無事に披露されてよかった。ダンスめっっっちゃかっこいい!
小柄なのに荒々しく、荒々しいけど柔軟性がありしなやかなじんちゃんのダンスと退廃的な世界観との相性がよくて目を惹く。やっぱり肩の可動域が広いのかな、と思う。視線と口角で挑発するような表情管理もすき。
あと、みんなだいすき「打ち噛ませ HIROTO」
とんでもない体勢のじんちゃん、それを飛び越えるにしくんはもちろん、一瞬とはいえ「ばか重い」*4にしくんとじんちゃんを同時に支えるまさフェンの体幹もすごい。
TAG
あいえないって絶対にいちばんキツい後半の追い込み(ダンスナンバーブロック)で輝くみたいなとこある。バドボ辺りからドス鯉とじんちゃん、ひろむ辺りがゾーンに入っててすごい。
だけど、やっぱりこの日のじんちゃんはわりとクールなパフォーマンスで「You can see a new world」のあと(後ろに下がる直前)舌出してたのもいつもの狂った感じじゃなくて、相手を小馬鹿にして挑発するような表情でかっこよかった。クールなじんちゃん。新鮮。
LOVE ALL STAR
サングラスをカチューシャスタイルで着用し、登場するじんちゃん。ダンスもめちゃくちゃギャル。ひとりだけヨジャかと思うくらいギャル全開なダンスしてて笑った。
* * *
先日発売された『東京カレンダー』でも勝負曲だと明言されていたDramaticとDROP、ここぞという場面で使われてきたBAD BOYZ、TAG、待望のSHADOW、Busterzと単独ライブよりもあいえないらしい、いまのあいえないの魅力を全面に引き出すセトリで、あいえないの"本気"を感じた。
ライブ全体としても、DJ、ラップ、ダンス、ボーカル、バンドと各々わりと好き勝手にやりたいことをやっているのに観客を誰ひとりとして置いていかないのがすごい。推しグル以外に興味が持てず、エビライで一生着席しているような合同コン嫌いのわたしでもラポスタだけは毎回たのしいな、と思ってしまう。トークコーナーやVCR、ファンサタイムを極限まで削り、ステージパフォーマンスに全振りするストイックさがすきでした。来年も期待してます。お疲れ様でした。